【パワハラと情熱の間】パワハラ野郎に共通する、たった一つのこと。

「馬鹿野郎!何でできてねぇんだよ。そっから飛び降りて早く死ねよ」課長の罵声が店内に響きます。その隣のシマでは、分厚さが百科事典くらいある取引先ファイルが宙を飛んでいます。受け渡しをするためではありません。次長が課員の頭にぶち当てるために投げたのです。その光景を大きな椅子に腕組みをして座った支店長が、ニヤニヤしながら見ています。

管理人が入行した営業店では日常的な風景でした。何も珍しくありません。これが、だいたい2005年頃の話です。

時代錯誤なパワハラ

今、もし同じことが行われれば課長と次長は懲罰の対象となるでしょう。ひょっとすると、閑職へ左遷なんてこともあり得ます。支店長も管理不行き届きで人事部から大目玉を食らうでしょうね。若い読者の方は「マジかよ、信じられん」「ブラックとかいうレベルじゃないな」と感じたでしょう。でも、ほんの10数年前の金融機関では当たり前だったんです。(30代後半より上のみなさん、そうですよね?うちの銀行だけじゃないですよね…?)

ところが、ところが、未だにパワハラは金融業界から消えてなくなりません。さすがに上記のような「死ね!」と吼える、重たいファイルで殴る、という行為は無くなったでしょうが、小さなパワハラ、目立たないパワハラはまだまだ たくさんあるようです。

管理人が現役行員さんから実際に聞いた例では…

・定期預金を獲れるまで帰ってくるな、土下座してでも獲ってこいと言われた

・飯食ってるヒマがあるなら、一本でも稟議を書けと言われ、実際に昼飯を食べられなかった

・後輩や同僚の前で叱責され、晒し者のようにされた

といったものがありました。みなさんのとこではどうですか(苦笑)?

パワハラ野郎が語る言い分

なぜ、このような愚劣なパワハラは無くならないんでしょう。実は管理人、勇気を出してパワハラ経験のあるベテラン職員に何名かインタビューしたことがあります。彼らは既に『パワハラはダメな行為だ』と認識した人たちなので、「何でそんなこと聞くんだ!馬鹿野郎、死ね!」とは言われませんでした。やれやれ。むしろ、元犯罪者みたいな雰囲気で質問に答えてくれました。「あの頃はどうかしていたんです…」「行き過ぎたやり方をしたと思っています…」みたいな。しおらしかったですよ。

で、彼ら全員が共通して言ったことがあるんです。管理人は「ああ、これがパワハラの原因だな」と感じました。それは…

『俺も昔そうやって育てられたから』

です。一人の例外もなく、全員が「自分が若かったころに課長や支店長から同じことをされた。腹が立ったが、なにくそ!負けるか!と奮起してここまで頑張ってきた。自分は同じ指導をしただけで、別に憎いとかムカツクとかって感情でやったんではない」という趣旨のことを仰るんです。

つまり!「自分も同じ指導をされたから」という免罪符を使って、自己を正当化しているわけですよ。

そういう人に限ってパワハラした後に「お前のことを思って言った」「奮起してほしいから言った」なんて、それっぽいこと言うんですよね。やっぱり多少の罪悪感があるから言うわけですよ。自分の非違を相手に転嫁するような行為、管理人は許せません!

ということで、

管理人はパワハラ前科者たちに言ってやりました!

「みなさんがやってきた事は、部活の顧問が “うさぎ跳び” を強制したのと同じですよ。昔は正しかったけれど、足腰を痛めることが明らかになり、現在はNGの練習方法になっている。10年前に先輩から うさぎ跳び でしごかれたからって、10年後に後輩に同じしごきをしていい訳ないですよね!?」

情熱のある指導とパワハラは違います。

自分がやられた苦しみを、後輩にも同じように強いるのがパワハラ。

自分がしてもらった喜びを、後輩にも同じように施すのが指導。 ではないでしょうか。

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