【ひじ掛け椅子には座っちゃダメだ!】環境に慣れるという恐怖について。

忘れもしませんが、筆者が銀行に入行してから、初めて営業店に出勤した時のこと。
(入行後すぐは、研修所で集合研修だったのです)
「筆者くんの席はそこね。椅子は総務部から取ってきてくれる?」
出勤初日。この店から俺のサクセスストーリーが始まる!
無邪気にそう思っていた23歳の春。
筆者は勇気りんりん、やる気まんまん、総務部に飛んでいきましたよ。
総務部「ああ新人さんの椅子ね。倉庫にいくつかあるから、持って行ってよ」
筆者「はい、よろこんでーー!」
と席まで持って帰りました。
と・こ・ろ・が…
先輩「あれっ、これ肘掛けが付いてるじゃん。ダメだよこれ。替えてきな」
まったく意味の分からない筆者。
(え、この店には何かジンクスがあるのか?肘掛け椅子に座ると成績が落ちるとか?
それとも、ただ単にこの椅子の肘掛けが壊れてるとか?)
ポカンとしている筆者に、先輩は説明してくれました。
「肘掛けがある椅子はな、役席以上じゃないと座れないルールなんだ。
ほら、課長や調査役は座ってるだろ。まだ役のない俺やお前が座るのは
おこがましいってもんだ」
筆者が社会人でなければ、大学のサークルで同じことを言われたならば、
間違いなく放言していたでしょう。
「え、マジすか。何すかそのルール」
もちろんピッカピカの社会人一年生ですから、そんな侮蔑はおくびにも出さず
「そうでしたか!失礼しました!すぐに取り替えてきます」
とまた総務部に駆け上がりました。
でもね、この時、心から思ったんです。
「くだらないルールがある、古い会社なんだな」
そして何よりもゾッとしたのが、
「この空気に染まると、いつか先輩みたいに疑問を持たなくなるんだ」
ということでした。

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